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Excelデータ分析!第2回
~移動平均と季節調整で
データの本質を見極める~
専門的な知識がなくてもできるExcelを使った簡単なデータ分析方法を全3回にわたってご紹介しています。
第1回目の記事ではデータの特徴を表す数値である3つの代表値、「平均値」「中央値」「最頻値」についてご紹介しました。第2回目となる今回は、平均値の応用となる「移動平均」と「季節調整」を使った時系列データの分析方法をご紹介します。時系列データを分析することでそのデータの「傾向」を読み取ることができます。そして傾向がわかれば「予測」ができます!
目の前のデータに一喜一憂しない!
移動平均で長期的な傾向を見極める
まず、移動平均とは文字のとおり「期間を移動しながら平均をとっていくこと」です。直近3ヶ月の売上が不規則に変動している場合でも、長期的にみたときには売上が伸びている可能性もあります。それを確かめるためには、次の2つの変動要因を取り除く必要があります。
1. 季節変動 :曜日や季節など一定のサイクルで繰り返される規則的な変動要因
2. 無作為変動 :気温や天候など、一時的な変動要因や不規則な変動要因
Excelで移動平均を求めてみよう
Step1. 時系列データを整理する
Step2. [データ分析]機能を使って移動平均を求める
Step3. 結果をグラフで表示する
Step1. 時系列データを整理する
Step2. [データ分析]機能を使って移動平均を求める
[OK]をクリックすると、計算された値が表示されます。数値が入ったセルを見ると「AVERAGE関数」が入っています。C13のセルには「=AVERAGE(B2:B13)」と入っていますが、C14には「=AVERAGE(B3:B14)」と入っており、以降も範囲を移動しながら各月の平均値が計算されています。なお、C2からC12のセルに表示された「#N/A」は計算に必要なデータが不足しているためのエラー表示となります。
Step3. 結果をグラフで表示する
季節調整でデータの本質が見えてくる!
移動平均を使ってデータ全体の推移がわかりましたが、もっと細かい視点でデータを分析したいときには「季節調整」が有効です。世の中の人やモノの動きには季節的な要因(例:夏のレジャーやクリスマスなど)が大きく影響します。データに現れる季節的な要因を表す数値を「季節変動値」といい、この季節変動値を取り除くことを「季節調整」といいます。
たとえば、遊園地で3月に新しいアトラクションがオープンした結果、3月の売上が前月比200%だったとします。「すごい!2月の2倍も売上が伸びた!」とぬか喜びしては危険です。3月は春休みや卒業旅行などで毎年お客さんが多く、売上も伸びる月なので、新アトラクションのおかげで売上が伸びたかどうかは判断できません。この場合、季節的な要因を取り除くことで前月との比較の精度があがります。
季節がどれくらい影響しているかわかる
「季節変動値」をExcelで求めてみよう
これで、各月の季節変動値が求められました。この数値だけでもおおよその季節要因の影響度がわかります。ここからさらに季節調整を行うために、「トリム平均」という平均を使って季節変動値の平均「季節指数」を求めていきます。トリム平均は最大値と最小値を除外して計算する平均のことをいいます。前回説明したように、平均は「外れ値」の影響を受けやすいという弱点がありました。トリム平均はこの外れ値を排除できるメリットがあります。
精度の高い平均「トリム平均」を求める
補正トリム平均の合計が「12」になったことを確認しましょう。ここで求めた「補正トリム平均」を「季節指数」と呼びます。この季節指数を使って元のデータから季節要因を排除していきます。
ミクロな視点でデータを分析する
Winスクールには、ビジネスの現場で扱うさまざまなデータをExcelを使って分析する手法と、データや数値を正しく理解するための統計に関する知識が学べる「Excelビジネスデータ分析」という講座があります!今回ご紹介した「移動平均」と「季節調整」についてもさらに詳しく学ぶことができますので、もし興味を持っていただけたら一度「無料体験・説明会」または「電話・オンライン説明会」にご参加ください。
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